頭金なしで住宅購入する際のリスクは?

一戸建てを購入する時に頭を悩ませるのが頭金の問題。まとまった金額が一度に出ていくことになるため、頭金としてどの程度を支払うかというのは難しい問題です。

最近では、「頭金なし」と書かれた不動産広告を見かけるようになりました。もし本当に頭金なしで住宅を購入することができれば、購入時の負担が少なく、楽に見えます。
しかし、本当に「頭金なし」は楽な方法なのでしょうか?

◯「頭金なし」のリスク
「頭金なし」の広告は一戸建てや新築に限らず、マンションなどでもよく見かけます。初期費用が抑えられる上に、月のローン返済額が家賃と同程度になると説明されていることが多いです。
家賃と住宅ローンの金額が同程度であるならば、最終的に住宅が手に入る「頭金なし」物件のほうがお得に見えます。

しかし、頭金を払わず、全額ローンで住宅を購入するのは高リスクです。

頭金なしの住宅ローンを考える際に、思い出したいのが2007年頃から起きたサブプライムローン問題です。
サブプライムローンは、信用度があまり高くない、一般の住宅ローンの審査に落ちてしまうような人向けの住宅ローンでした。その結果、ローンの返済が滞ったり、返済できなかったりする人が続出してしまい、結果的に不良債権化してしまいました。

住宅ローンの返済が難しくなった場合、住宅を売却して、その売却額を残りのローン返済にあてることになります。
しかし、サブプライムローンは住宅価格が上昇していくという甘い認識の下で考えられたシステムだったため、住宅を売却してもローンを返済しきれず、返済が不可能になってしまったという問題に対応できなかったのです。

サブプライムローン問題から考えるべきなのは、ローン途中で家を売却した時の売却価格と、残りの返済金額の問題です。

住宅資金を全て住宅ローンでまかなった場合、頭金がある場合に比べ、家の売却価格が残りの返済額を下回る可能性が高くなります。
他にも、ローンの金額が大きいほど、変動金利の影響が大きくなったり、支払う利息も大きくなったりするなどの問題があります。

◯頭金はどの程度必要か
一般的に、頭金は住宅価格の2割必要と言われています。

頭金が2割ということは、住宅を購入した段階でローンの返済が2割終わっているという風に考えることもできます。その上、その2割に利息がないことを考えると、さらにお得であることが分かります。

やむを得ずローンの返済途中で住宅を売ることになってしまった場合も、頭金がある場合の方が、家の売却で残りローンをカバーできる期待が高くなります。また、月の返済額も少なくなるため、売却ではなく賃貸を選択した場合でも、家賃収入でローンの返済をカバーできる可能性が高まります

ただ、頭金として2割というのは、あくまで目安でしかありません。
物件価格は社会や経済の影響を大きく受けます。また、中古住宅を購入して売却するよりも、新築住宅を中古住宅として売りに出す時の方が価値の下落は大きくなります。

まら、住宅ローンの目安についても、年収の5倍までが妥当と言われています。それ以上のローンは返済のリスクが大きくなり、毎月の負担も大きくなってしまいます。

◯事前のシミュレーションが重要
月々の返済額や頭金については、ローンを組む前に必ずファイナンシャルプランナーに相談し、シミュレーションを行いましょう。
頭金なしの場合や、2割、1割など条件を変え、毎月の負担やもしもの時のリスクを比較することが大切です。

住宅ローンを組むことは、基本的に多少のリスクを抱えることになります。頭金が多いほどリスクが少なく、万が一住宅を売却した時に、逆ザヤになってしまう心配も少なくなります。

家を買うとなると、どうしても夢のある話が多くなりがちですが、ローンを返済できなくなった時のことや、売却する時のことなど、万が一の事態についても考えておく必要があります。

自己資金や住宅ローンの融資額が足りない時は?

住宅購入を考えているけれど、自己資金や住宅ローンの融資額に不足がある場合はどうしたら良いのでしょうか?

よくあるのは親からの資金援助を受けたり、親と共有名義にしたりなどの方法です。
自己資金を補ったり、住宅ローンの融資額を増やしたりするための方法を紹介します。

◯親からの住宅購入資金援助
住宅購入資金を補う手段の一つとして、親から資金を援助して貰うという方法があります。一定の条件を満たせば贈与税が非課税となります。

非課税にできる援助額の上限は、新築等に係る契約の締結日がいつになるかによって異なります。
平成31年3月31日までに契約を締結した場合、省エネ等住宅で1200万円、それ以外の住宅で700万円が上限となります。
省エネ等住宅というのは、省エネ基準、耐震性、高齢者に対する配慮があることなどの条件を満たしている住宅を指します。

住宅資金の援助を非課税とするための主な条件には以下のようなものがあります。
1.直径の親、祖父母からの贈与であること
2.贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
3.贈与を受けた年の所得が2000万円以下であること
4.贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、受け取った資金の全額を当てて家を購入すること
5.贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、建てた家に住む見込みが確実にあること
6.床面積50㎡~240㎡で、そのうち半分以上が受贈者の居住スペースであること
7.取得した家が新築、もしくは築20年以内(耐火建造物の場合は25年以内)であること
8.7以外の住宅の場合、耐震性を証明するか、耐震改修工事をおこなうこと

また、住宅資金援助の非課税措置は、暦年課税の110万円分の非課税、相続時精算課税制度の2500万円までの非課税措置と併用することも可能です。

自己資金が増え、住宅ローンの借入額を少なくすることができれば、月々の支払額を大きく減らすことが可能になります。

◯家の名義を共有にする
親に住宅資金援助をしてもらうのではなく、家の名義を共有とし、住宅購入資金を直接出してもらうという方法もあります。
この場合、共有者となるのは、夫側の親、妻側の親のどちらでも問題ありません。

共有名義とする場合、気をつけなければならないのは、住宅と資金の持分です。

例えば、資金は子が20%、親が80%出しているのに、家の配分は子が50%としてしまった場合、30%の差分に対して贈与税がかかることもあります。

また、住宅購入時には様々な税金の優遇措置があります。しかし、こうした優遇はその住宅に済むことが条件となっているものがほとんどです。そのため、親が同居しない場合、親はこうした税金優遇の対象になりません。

相続時のことにも注意が必要です。
親がなくなった場合、住宅のうち親の持分は相続の対象になります。仮に親の財産がその持分しかなく、兄弟姉妹がいる場合は、親が持っていた住宅に対する権利を兄弟姉妹と分け合うことになります。

同居する住宅であれば共有名義にするのも悪くはありませんが、基本的に親の持分を多くしすぎないほうがトラブルになりにくく、メリットも大きいです。

◯収入合算する
住宅ローンの融資限度額は、収入によって変わります。
一人分の収入では融資額が足りないという場合、夫婦で収入合算することで融資額を増やすことができます。

収入合算ができるのは、配偶者、子、父母、養父母、のうち1人だけです。一般的には、夫婦で収入合算することが多いです。

収入合算を行う際にはいくつかの注意点があります。

まず、金融機関によっては、収入合算できる金額の上限があること。
全額合算できるところもあれば、半分までの場合や、申込者の半額までとされる場合もあります。

また、合算者は連帯保証人か、連帯責任者となります。返済責任があるという点では、主債務者と同じです。しかし、住宅ローンの控除を受けることができません。また、団体信用生命保険への加入もできません。合算者に万が一のことがあった場合も、保険の適用を受けることができないため、リスクが大きいです。

◯ペアローンにする
ペアローンというのは、一つの住宅に対して、夫婦や親子で別々にローンを組むことです。

収入合算と違うのは、それぞれが主債務者となることです。そのため、どちらも住宅ローン控除を受けることができ、団体信用生命保険への加入もできます。
収入合算をする時よりも、融資限度額も大きくなりやすいです。

また、住宅ローンは全く同じものを借りなくてはならないという決まりはありません。一人は固定金利の長期ローン、もうひとりは短期変動金利とすれば、リスクを分散できます。
収入合算をするよりもメリットの大きい方法です。

◯親子リレー返済にする
親子リレー返済とは、親から子へ返済を引き継ぐことを前提として組むローンのことです。

住宅ローンは完済まで時間がかかるため、年齢が高くなると組むのが難しくなります。退職後に住宅ローンを支払うのは大きな負担となりますし、80歳まで完済することを条件としている金融機関も多いです。
そこで、リレー方式の住宅ローンとすることで、年齢が高くても住宅が購入しやすいようにするのです。

親子リレー返済を組む際は、親子間の話し合いが非常に重要です。
親が購入した住宅の返済を子が引き継ぐわけですから、子が最終的にその家を相続することが前提になります。子どもの将来的な移住地を親が決めてしまうことになり、仕事や結婚にも制約が出る可能性があります。

既に親と同居している、家業を継ぐことが決まっている、結婚していて子どももいる、と言った状況であれば親子リレー返済を検討しても良いでしょう。

一戸建て購入時の固定資産税はどれくらい?

住宅購入時に最も頭を悩ませるのがお金の話。
予算や資金計画となると、どうしても住宅の価格やローンの金利にばかり注目してしまいますが、税金について考えるのも非常に大切です。
固定資産税などの税金は、家を持っている限りずっと払い続けなければならず、住宅ローンよりもずっと長い付き合いになるからです。一時的な資金計画だけでなく、長期的なお金のやりくりや、将来的なライフプランを考えるうえで、家にかかる税金について考えることはかかせません。

◯固定資産税と都市計画税とは
住宅の所有に関してかかる税金は、固定資産税と都市計画税の2つです。

固定資産税は、土地や建物などの固定資産にかかる税金です。固定資産のある市町村に対して支払うもので、固定資産を所有している限り払い続けなければなりません。

税金額は、課税台帳にある価格の1.4%で、その年の1月1日時点で固定資産を所有していた人が支払います。納税のタイミングが、4月、7月、11月、2月と年に4回ありますが、まとめて一括で支払うこともできます。納付の方法は、払込用紙、引き落としの他、郵便局からも行うことができます。
納税通知書の届く時期は自治体によって異なりますが、4月から6月に届くことが多いです。

都市計画税については、固定資産税とは課税対象が異なります。全ての固定資産が対象になる訳ではありません。

対象となるのは、都市計画法の市街化区域内にある土地と建物です。市街化調整区域や、都市計画区域外の土地建物は対象外です。

税金額は、固定資産と同じく課税台帳から算出しますが、こちらの税率は0.3%です。
納付については、固定資産と同じタイミングで通知があります。

◯住宅を購入した年の固定資産税
固定資産税の課税は、その年の1月1日に住宅を所有していた人が対象です。
では、年の途中に家を買った場合、固定資産税の支払いはどのようになるのでしょうか?

この場合、引き渡し以降の固定資産税を日割りで購入者が払うことになります。
仮に7月に購入した場合、1月から6月の固定資産税を前の所有者が払い、7月から12月分の固定資産税を購入者が支払います。

ただし、固定資産税の納付書自体は前の持ち主に届きます。そのため、購入時に引き渡し以降の固定資産税について、前所有者に支払う形になります。

◯固定資産税の減税
一戸建ての購入にはとてもお金がかかります。
ローンの支払や保険の支払い、引っ越しなどにかかる費用など、住宅以外の出費も非常に多いです。これに固定資産税納付となると、家を購入したばかりの人にはかなりの負担です。

しかし、固定資産税には新築・改築した人に対する減税があります。

新築一戸建ての場合の条件は、床面積50㎡~280㎡の新築住宅であることです。この条件を満たせば、新しく課税される年から3年間、固定資産税が半分になります。

これに加え、さらに耐火性や長期優良住宅などの条件を満たすと、さらに固定資産税の減額期間が延長されます。3階建て以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年、長期優良住宅の場合は5年、両方を満たす場合は7年分が減額されます。

これらの条件を満たした上で、建築確認申請書、検査済証などの書類を提出し、手続きをすることで、固定資産税を減額することができます。

改築やリフォームの場合、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修工事などの工事が、固定資産税の減額対象となります。

◯土地の固定資産税を減税
建物だけではなく、土地も条件を満たせば減税の対象になります。

200㎡までの小規模住宅用地の場合は、土地の固定資産税が1/6に、小規模住宅用地以外の住宅用地については1/3になります。

◯固定資産税を踏まえて資金計画を建てる
住宅の購入費用はローンの支払いが終わるまでの話ですが、固定資産税は住宅ローン完済後も所有している限り払い続けるものです。
1年分の税金もそれなりの額ですし、それが毎年ずっと、と考えると相当の金額になります。

固定資産税については、住宅を購入する前に、いくらになるか把握しなければなりません。特に、住宅ローンを支払い終えるまでは、毎年固定資産税とローンの両方を払い続けることになり、生活への影響も大きいです。
毎年の出費がいくらになるのかを考えながら、資金計画を練ることが大切です。

◯固定資産税と都市計画税
さて、ここで固定資産税と都市計画税について再確認しておきましょう。

・固定資産税
対象:1月1日時点で所有している全ての土地、建物等の固定資産
税額:固定資産価格×1.4%
減税:新築の場合、床面積50㎡~280㎡の場合、3年間1/2
   1. 3階建て以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年間に延長
2.長期優良住宅の場合は5年間に延長
1、2の両方を満たす場合は7年に延長
その他、改築の場合も一定条件をみたすことで減税あり

・都市計画税
対象:1月1日時点で所有している都市計画区域内の土地建物
税額:固定資産価格×最高0.3%