一戸建て購入時の固定資産税はどれくらい?

住宅購入時に最も頭を悩ませるのがお金の話。
予算や資金計画となると、どうしても住宅の価格やローンの金利にばかり注目してしまいますが、税金について考えるのも非常に大切です。
固定資産税などの税金は、家を持っている限りずっと払い続けなければならず、住宅ローンよりもずっと長い付き合いになるからです。一時的な資金計画だけでなく、長期的なお金のやりくりや、将来的なライフプランを考えるうえで、家にかかる税金について考えることはかかせません。

◯固定資産税と都市計画税とは
住宅の所有に関してかかる税金は、固定資産税と都市計画税の2つです。

固定資産税は、土地や建物などの固定資産にかかる税金です。固定資産のある市町村に対して支払うもので、固定資産を所有している限り払い続けなければなりません。

税金額は、課税台帳にある価格の1.4%で、その年の1月1日時点で固定資産を所有していた人が支払います。納税のタイミングが、4月、7月、11月、2月と年に4回ありますが、まとめて一括で支払うこともできます。納付の方法は、払込用紙、引き落としの他、郵便局からも行うことができます。
納税通知書の届く時期は自治体によって異なりますが、4月から6月に届くことが多いです。

都市計画税については、固定資産税とは課税対象が異なります。全ての固定資産が対象になる訳ではありません。

対象となるのは、都市計画法の市街化区域内にある土地と建物です。市街化調整区域や、都市計画区域外の土地建物は対象外です。

税金額は、固定資産と同じく課税台帳から算出しますが、こちらの税率は0.3%です。
納付については、固定資産と同じタイミングで通知があります。

◯住宅を購入した年の固定資産税
固定資産税の課税は、その年の1月1日に住宅を所有していた人が対象です。
では、年の途中に家を買った場合、固定資産税の支払いはどのようになるのでしょうか?

この場合、引き渡し以降の固定資産税を日割りで購入者が払うことになります。
仮に7月に購入した場合、1月から6月の固定資産税を前の所有者が払い、7月から12月分の固定資産税を購入者が支払います。

ただし、固定資産税の納付書自体は前の持ち主に届きます。そのため、購入時に引き渡し以降の固定資産税について、前所有者に支払う形になります。

◯固定資産税の減税
一戸建ての購入にはとてもお金がかかります。
ローンの支払や保険の支払い、引っ越しなどにかかる費用など、住宅以外の出費も非常に多いです。これに固定資産税納付となると、家を購入したばかりの人にはかなりの負担です。

しかし、固定資産税には新築・改築した人に対する減税があります。

新築一戸建ての場合の条件は、床面積50㎡~280㎡の新築住宅であることです。この条件を満たせば、新しく課税される年から3年間、固定資産税が半分になります。

これに加え、さらに耐火性や長期優良住宅などの条件を満たすと、さらに固定資産税の減額期間が延長されます。3階建て以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年、長期優良住宅の場合は5年、両方を満たす場合は7年分が減額されます。

これらの条件を満たした上で、建築確認申請書、検査済証などの書類を提出し、手続きをすることで、固定資産税を減額することができます。

改築やリフォームの場合、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修工事などの工事が、固定資産税の減額対象となります。

◯土地の固定資産税を減税
建物だけではなく、土地も条件を満たせば減税の対象になります。

200㎡までの小規模住宅用地の場合は、土地の固定資産税が1/6に、小規模住宅用地以外の住宅用地については1/3になります。

◯固定資産税を踏まえて資金計画を建てる
住宅の購入費用はローンの支払いが終わるまでの話ですが、固定資産税は住宅ローン完済後も所有している限り払い続けるものです。
1年分の税金もそれなりの額ですし、それが毎年ずっと、と考えると相当の金額になります。

固定資産税については、住宅を購入する前に、いくらになるか把握しなければなりません。特に、住宅ローンを支払い終えるまでは、毎年固定資産税とローンの両方を払い続けることになり、生活への影響も大きいです。
毎年の出費がいくらになるのかを考えながら、資金計画を練ることが大切です。

◯固定資産税と都市計画税
さて、ここで固定資産税と都市計画税について再確認しておきましょう。

・固定資産税
対象:1月1日時点で所有している全ての土地、建物等の固定資産
税額:固定資産価格×1.4%
減税:新築の場合、床面積50㎡~280㎡の場合、3年間1/2
   1. 3階建て以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年間に延長
2.長期優良住宅の場合は5年間に延長
1、2の両方を満たす場合は7年に延長
その他、改築の場合も一定条件をみたすことで減税あり

・都市計画税
対象:1月1日時点で所有している都市計画区域内の土地建物
税額:固定資産価格×最高0.3%